困難と苦難の意義

人類は、まだ痛みと苦しみ、困難と苦難の意義を理解していません。

しかし、そうしたものすべてが霊的進化の道のりで大切な役割を果たしているのです。

過去を振り返ってごらんなさい。

往々にして、最大の危機に直面した時、最大の難問に遭遇(そうぐう)した時、人生でもっとも暗かった時期がより大きな悟(さと)りへの踏み台になっていることを発見するはずです。

いつも日向 (ひなた) で暮らし、不幸も心配も悩みもなく困難が生じても自動的に解決されてあなたに何の影響も及ぼさず、通る道に石ころひとつ転がっておらず、征服すべきものが何一つないようでは、あなたは少しも進歩しません。

向上進化は困難と正面から取り組み、それを一つひとつ克服していく中にこそ得られるのです。

人生での出来事、時にはつらく絶望的であり、時には苦しく悲劇的であったりしますが、その一つ一つがこれからたどり行く道のために魂を鍛(きた)える役割を果たしているのです。

光と闇(やみ)、日向と日陰、こうしたものは唯一絶対の実在の反映にすぎません。

陰なくして光はなく、光なくして陰はありません。

人生の困難は、魂が向上していくための階段です。

困難、障害、不利な条件、これらはみんな魂の試練なのです。

それを一つ克服した時、魂はいっそう充実し向上して、一段と強くそして純粋になっていきます。

無限の可能性を秘めた魂の潜在力が、困難も苦痛もなく、陰もなく悲しみもなく、苦難も悲劇も体験せずに発揮されると思われますか。

もちろん思われないでしょう。

人生の喜び、楽しい笑いの味は、人生の辛酸(しんさん)をなめつくして始めてわかります。

なぜなら、深く沈んだだけ、それだけ高く上がれるからです。

地上生活の陰を体験するほど、それだけ日向の喜びを味わうことができます。

体験のすべてが霊的進化の肥(こ)やしです。

そのうち、あなた方も肉体の束縛から解放されて曇りのない目で地上生活を振り返る時がきます。

そうすれば紆余曲折(うよきょくせつ)した一見とりとめのない出来事の絡(から)み合いの中で、一つ一つがちゃんとした意味を持ち、あなたの魂を目覚めさせ、その可能性を引き出すうえで意義があったことを、理解されるはずです。

地上のいかなる体験も、それに正しく対処し正しく理解すれば、人間の魂にとって必ずやプラスになるものを持っています。

何の困難も、何の試練も、何のトラブルも、何の苦痛も何の悩みもない世界を想像できるでしょうか。

そこには、もはや向上進化の可能性がない事になります。

克服すべきものが何もないことになります。

ただ朽(く)ち果(は)てるのみです。