果報は寝て待て
「果報は寝て待て」という言葉があります。
良い知らせは気長に焦らずに待つのが良いということです。
最近は仕事でも短期的な成果を求められることが多いため、このような長期的視点での発想が受け入れにくくなっています。
同じような言葉に「人事を尽くして天命を待つ」という言葉もあります。
こちらはもう少し具体的で、自分ができることをすべてやり切ったら、あとは天に任せるということです。
動機が利己的なものでなく利他に基づくものであれば、必ず天からの支援を得ることができ、事が成就するということです。
天からの支援については、約3,000年前に地上を去った霊界からの使者シルバーバーチが次のように語っています。
霊界の者はあくまでも霊界の者にとって都合の良いタイミングでしか支援ができないのです。
言い換えれば、地上界の都合に合わせて支援するわけにはいかないということです。
ところが、人間は何かとせっかちであるために、往々にしてその性急さが、本来ならもっと楽に叶えられるはずの条件を阻害して、結局は実現を遅らせることになります。
霊界から要請したいのは、受容性に富み、確信に満ち、冷静でのどかな精神、それに、とにかく自分にとって一番良いものがもたらされるのだ、ただしその機が熟した時に、ということを一点の疑念もなく洞察できる能力です。
焦ってはなりません。
地上世界の一番困った点は、何かにつけてせっかちであることです。
霊に関わることは”早く片付ける”ということが不可能なのです。
もう一度繰り返します。
真理は何度繰り返してもよいでしょう。
霊界の者は霊界のタイミングとやり方で事を運びます。
地上界の都合に合わせて行うわけにはいかないのです。
霊的に見てどうなることが一番良いかは、人間自身には正しく判断できません。
人間の祈りを聞いていると、その願い通りにしてあげたら霊的にとんでもないことになると思われるものがよくあります。
そこで霊界の判断に基づいて、地上界のみんさんにとって一番良い形で援助します。
指導して差し上げます。
決して裏切りません。
見放しません。
見捨てるようなことはいたしません。
待つのです。きっとドアは開かれます。
(参考文献:シルバーバーチの霊訓(10))
所詮、私たち人間のできることなどたかが知れていて、私たちは霊界からの多大な支援を受けながら生きていることに思いが至れば、先人の遺した「果報は寝て待て」、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉の意味がより一層腑に落ちると思います。