昨年のリオオリンピックで二大会連続となる銅メダルを獲得した重量挙げ日本女子代表の三宅宏美さん。

北京オリンピックではメダルを期待されながらも、自己管理が十分にできず人任せにしていたなど様々な敗因により、6位という結果に終わってしまいます。

ケガに苦しんで僅か1キロ記録を伸ばすのに5年の歳月を要したこともあります。

そういうことがあったからこそ頑張るしかないと思い、なぜ負けたのか、自分の苦手なところ、短所を書き出し、そこを徹底的に練習しました。

諦めないでずっとやり続けた結果、ある時ポンと上達する日が来て、そこから波に乗って、ロンドンでの銀メダルにつながりました。

その時以上に辛かったのが2012年からの4年間で、この4年間は地獄だったそうです。

腰痛やひざの故障により、全日本選手権で表彰台を逃したり、自己ベストに達しないという日々の中で引退を考えたこともありました。

三宅宏美さんは、このような逆境を振り返って、次のように述べています。

辛いことはたくさんありましたが、その経験が毎回私を大きく成長させてくれるので、全部必要なことなんだと思います。

何の苦労も挫折もなく、簡単に夢を叶えてしまったら、重みがないですし、喜びや達成感もないですよね

振り返ると、ケガや失敗から学んで精神力を強くさせてもらいました。

それがあるから今日まで続けてこられたんだなと。

大事なのは失敗から何を学ぶか。

自分が何を読み取って、どう選択して、どこに向かっていくか、です。

これを乗り換えた先に何かが絶対待っている、乗り換えないとその先はないと思って挑戦していく

すると、次の課題がまた目の前に現れる

人生はその連続じゃないかと思います。」

読書家の三宅宏実さんは、特に影響を受けた本を2冊紹介しています。

「一つは、サッカー日本代表主将・長谷部誠さんの『心を整える』という本です。

冒頭に「部屋の乱れは心の乱れ」と書いてあって、その時、私の部屋がすごく汚かったんです。

これは心の状態を表しているなと反省して、部屋の掃除を徹底するところから始めていきました。

そうすると、練習の効果も上がていって、その年に日本新記録を出したんです。

もう一つは、荒行として知られる千日回峰行(かいほうぎょう)を2回も満行(まんぎょう)された酒井雄哉(ゆうさい)さんの『
一日一生』という本です。

一日を一生のように生きるって、なんて素敵な言葉だろうと感銘を受けました。

その日一日、やるべきことをすべてやり切って次の一日を迎える。

毎日の練習を試合のつもりで臨む。

落ち込んだ時には、今日は今日、明日は明日と割り切る。

そういう心持ちで日々を過ごしていくことができるようになりました。

この言葉がどれだけ支えになったか、本当に計り知れません。」

(参照:『致知』2017年7月号より)

三宅宏美さんも、逆境を経験することで、人間的に成長してきました。

そして、逆境は必要なことと肯定的に捉え、感謝の気持ちを振り返っています。

多くの偉人たちと同じですね。