昨年夏のリオオリンピックで、8位からの大逆転で見事銅メダルを獲得した重量挙げ女子日本代表の三宅宏美さん。

父親であり監督でもある三宅義行さんからは、オーバーワークになりケガをするから練習はこの辺にしときなさいと言われていたものの、三宅宏実さん自身が自己ベストの記録に戻したいという思いから、ちょっと痛くても我慢していました。

それをずっと重ねていくうちに疲労がたまり、オリンピックの三か月前にケガをしてしまったのです。

ものすごく後悔し、毎日が不安でしかたありませんでした。

リオに入ってからも調子は上向かなくて、試合の3日前に競技人生で初めて痛め止めを注射したり、最後の調整でスタート重量を落とさなければならないなど、さすがに落ち込んでしまいました。

でも、ケガをしてしまったことは仕方ないので、とにかく1日1日できることを精いっぱいやろう、やるべきことだけはしっかりやって自信をもって試合に臨もうと思い、父親に相談しながら調整を続けました。

試合当日、1つ目の種目であるスナッチ(バーベルを両手で一気に頭上へ挙げ、立ち上がる競技)では、3回の試技のうち、2回連続で失敗してしまいます。

2本目を落としたときはもうダメかな、これで終わりかなっていう不安がよぎりました。

「大丈夫、大丈夫」

「過去の2回はもう頭の中から切り捨てろ。次がファーストトライだと思ってやれ」

「絶対取れるから行ってこい」

父親の声を受けて、三宅宏美さんは自分自身と対話する中で、もし4回目のオリンピックが記録ゼロで帰ることになったとしても、それは私にとって必要なことなんだと受け入れようと心を切り替えました。

やるべきことはやってきたので、もう思い切ってやろう、1%でもある可能性を信じてとにかく頑張ろうという気持ちで、最後の試技に臨みました。

3本目に取ることができたのは奇跡というか、その時は会場からの声援がすごく大きくて、何かこう自分で取ったというよりも、まさに取らせてもらったという気がしたそうです。

たくさんの人たちの応援に救ってもらった。

目に見えない力の大きさをすごく感じました

何とか望みをつないで、クリーク&ジャーク(バーベルを両手で一旦胸上まで挙げ、両脚を前後に開きながら頭上に挙げる競技)に進みました。

最初は8位でしたが、ジャークに入った途端に失敗する選手が続出しました。

三宅宏美さんは、1本目成功しながらも2本目で失敗していまいます。

ここで決めればメダル獲得という3本目では、絶対に表彰台に立って笑顔で日本に帰りたい、せっかく目の前にチャンスがあるのにそれを自分で掴(つか)めないのは悔しいという思いでした。

オリンピックの前年の世界選手権で銅メダルを獲りましたが、それは他の選手が失敗したから結果的に銅メダルという試合でした。

オリンピックでは絶対に攻めの試合をしたいと思い、実際にそのチャンスが目の前にあったので、最後の3本目は自信をもって攻めることができました。

3本目を上げた後に、三宅宏実さんはバーベルに感謝の気持ちを込めて抱擁したのです。

2012年から4年間は心身ともにすごく辛くて、金メダルを狙っていたにもかかわらず、思うように調整が進みませんでした。

そういう中で失格寸前から銅メダルを獲ることができました。

その嬉しさとすべてやり切ったことへの安ど感から、思わず抱きついてしまったそうです。

(参照:『致知』2017年7月号より)

ジャークの3本目を挙げることができたのは、もちろん三宅宏実さんの日ごろの努力の賜物ですが、それ以外にも多くの人たちの応援、そして目に見えない大きな力の支援もあったのです。

その見えない大きな力とは守護神、守護霊などのことです。