一時期、前会長の井川意高氏の巨額の借入金問題で世間を騒がせた大王製紙の社長佐光正義さんのお話です。

佐光さんは、実家の近くで大工をしていたお父さんの応援ができればとの思いから、地元愛媛に本社のあった大王製紙に入社しました。

しかし、転勤の連続で四国には全然いられませんでした。

しかも、印刷会社、シール会社、レストラン事業や岐阜の工場への出向などを経験しましたが、大事なことはそれをどう捉えるかだそうです。

例えばレストラン事業に出向が決まった時には、周りから「おまえもこれで終わりだな」と言われたそうですが、これも何かの経験だとポジティブに捉えていたら、そこでの経験が全部自分の宝になったそうです。

製紙の営業は基本的に企業間の取引になりますが、家庭紙事業では生活者が相手になるのでレストラン事業の学びが後に役に立ったそうです。

ある出来事をネガティブに捉えるか、ポジティブに捉えるによって、見えてくる風景が全然別のものになるわけで、何でもポジティブに捉えていけば、その後の人生も大きく変わるんじゃないかといつも思っていたそうです。

佐光さんは、自分が社長になることは100%ないと思っていたそうです。

そして、社長になった後は前会長の井川氏による巨額の借入金事件があり、世間を大いに騒がせることになりました。

佐光さんにとっては大きな試練となりましたが、どんなことからも逃げずに挑むことが大事だと思ってやってきたそうです。

戦いに挑むか、避けて逃げるか。

「兆」というのは心の兆候を意味していて、心の在り方ひとつで物事に「挑む」こともできれば、物事から「逃げる」こともできるのです。

ですから、心のあり方を常に見張って、どんなことからも逃げずに挑むことが大事なのです。

最近、佐光さんは吉田松陰の言葉を社員に説いているそうです。

夢なき者に理想なし 理想なき者に計画なし 計画なき者に実行なし 実行なき者に成功なし 故に夢なき者に成功なし

(参考:『致知』2017年5月号)

誰でも夢は持つのではないでしょうか。

そして、夢に向かって計画を立てる人も多いと思います。

しかし、実際に計画に基づいて実行する人は少ないと思います。

私は、特に「実行なき者に成功なし」という部分を肝に銘じるべきだと思います。