カラオケを一番先に考えたのは、カーステレオ販売のクラリオンという会社です。

クラリオンは、世界各地の社員を集めて定期的に会議を行っています。

ある時、会議を新潟で開催することにしましたが、新潟のホテルを予約できず、急遽、温泉旅館に泊まることになりました。

会議も終わり宴会を始めるときに、芸者でも呼んでにぎやかにやろうということになりました。

ところが、その日は日曜日で芸者さんはお休みでした。

そこを無理にお願いすると、若い芸者はいないがそのお母さんくらいの年でもよければという返事でした。

この際だから年増でもいいということになり、とにかく何人か呼んでみて、よければ追加してもらうことにしました。

しかし、実際に来た時に「どうだ、いいか」と皆に聞くわけにもいかないので、追加したいと思ったら箸を立てて合図にしようということになりました。

実際に宴会場にやってきた芸者を見ると、お母さんどころか、お婆さんみたいな人ばかりでしたから、社員は箸を立てる気力もなくなってしまいました。

こんなときに、三味線に伴奏してもらわなくても歌を歌える方法はないものか、もしオーケストラをバックに歌えるようなものがあったら、誰でも歌いたくるんじゃないかという声が出ました。

それならオーケストラで演奏するバックミュージックだけのテープをつくればいいんじゃないか、という案が出たのです。

人が歌っていなくて、「カラ」の「オーケストラ」だから「カラオケ」ということになったのです。