「くまのパディントン」の作者マイケル・ボンドさんがクマのぬいぐるみと出逢ったのは、1956年のクリスマスイブのことです。

家路を急ぐボンドさんの目に、売れ残って店先に置かれたクマのぬいぐるみが飛び込んできました。

見捨てられたような姿に切なくなったボンドさんは、妻への贈り物として買い、自宅近くの駅にちなんでパディントンと名付けました。

このクマを見ているうちに、ボンドさんの頭の中で物語が始まったのです。

「クマがひとりぼっちで駅に現れたら、どんなことが起きるだろうか?」

その時、ボンドさんの脳裏に、ある光景が浮かびました。

戦時中、空襲を逃れるために親元を離れ、スーツケース1つで迷子にならぬよう札を首に下げて、列車で疎開した子どもたちの姿です。

そうして生まれたのが、名作「くまのパディントン」です。

スーツケース1つ持ち、ひとりぼっちで未知の国にやってきて、「どうぞ、このくまのめんどうをみてやってください。おたのみします。」と書いた札を首から下げたクマ。

「くまのパディントン」は、半世紀にわたり3,500万部も売れる人気シリーズとなりました。

売れ残ったクマのぬいぐるみが、世界中の子どもたちをわくわくさせ続ける贈り物となったのです。