思い返せば、小さい頃は自分のされていることが虐待だとわかりませんでした。

それが日常だったから。

幼いころから、母が殴られ暴言を吐かれて泣いているのを見ていて、機嫌の悪い父に気まぐれに殴られる兄弟を見て、自分も当たり前に殴られて、怖くて憎い父の機嫌をとる為に、これ以上殴られないように機嫌を伺いながら気を遣って生活していました。

そんな生活が変わるきっかけになったのは、学校でのデートDV(ドメスティック・バイオレンス)についての授業でした。

ここではじめて今までされてきた事はすべて虐待、DV、モラハラなどに当てはまることに気づきました。

この授業を受けて私たちの未来を考えました。

ずっと暴力を振るい続ける父親とこのまま生活を共にしていると家族の誰かが本当に殺されてしまう。

生き延びたとしても人生を食いつぶされる。

それからは、家族を連れて逃げる方法だけを考えました。

監視も厳しく、自由に動ける時間もお金も少なく限られていた為、親しい人に相談したり、学校や区役所の掲示板などに掲載されている相談窓口や女性センターなどに公衆電話を使い電話相談をしました。

相談したことがきっかけで、行政機関や民間団体の方々に保護していただけました。

あの時に、自分の置かれている状況を客観的にみられた事で行動を起こすことができ、今につながっていると思います。

あの日、授業を受けていなければ、相談する勇気を持てなければ、あのまま地獄のような日々が今も悪化しながら続いていたと思います。

今、DVで悩みこれからどうするかを考えている人がいるなら逃げてほしいです。

家庭内DVの恐ろしいところは、生まれた時からずっとDVの環境の中で育つと、それが当たり前だと思ってしまい、DV被害に遭っているということに気づかないことだということが、この方の手記を読んでわかりました。

この方は、現在結婚し、こどもに恵まれ、働きながら子育て中で、忙しいながらも穏やかに暮らしているそうです。