阪神・淡路大震災が起きた時、その方は家族と一緒に自宅の二階で寝ていました。

突然尋常じゃない揺れに襲われて、とのかく無我夢中で一階に駆け降りました。

けれども家が崩れ始めて、もうパニック状態で体が全然動かなくなりました。

その時、冷蔵庫にかかっていた相田みつを日めくりカレンダーの「その時、どう動くか」という言葉が突然目に飛び込んできました。

それで、とにかく家を出ようと思い、全員が外に出たら、目の前で自宅が全壊してしまいました。

その時、どう動くか」は8日の言葉で、震災当日は17日でした。

その方は相田みつを日めくりカレンダーを愛用していて、毎日めくるのではなく、その時々に気に入ったページを開いて何日かそのままにしておいたのです。

その方は、次のように述懐しています。

「もしあの時、別の言葉だったら、自分は動けなかったと思います。

『その時、どう動くか』のページが偶然開いていたから、自分たち一家は助かった。

あの相田みつをの言葉が無ければ、判断を誤って全員死んでいたかもしれません」

その後、数日間は全く救助隊が来ない。

食べ物も水もないという状態でした。

そしてようやく救助隊が支援物資を持ってきてくれた時、その方はこう言いました。

「自分たちも大変だけど、奥にもっと大変な状況の人たちがいるから、そっちへ先に持って行ってください」

何でそんなことを言ったのか、自分でもよくわからないけども、その時に思い出したのが「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる うばい合えば憎しみ わけ合えば安らぎ」という相田みつをの言葉でした。

いま、その方の心に一番響く相田みつをの言葉は「道」だそうです。

長い人生にはなあ どんなに避けようとしても どうしても通らなければならぬ道 というものがあるんだな そんなときはその道を だまって歩くことだな 愚痴や弱音は吐かないでな 黙って歩くんだよ ただ黙って 涙なんか見せちゃダメだぜ そしてなあ その時なんだよ 人間としての いのちの根が ふかくなるのは

その方は、この相田みつをの三つの作品に支えられて生きているそうです。

(参考文献:『致知』2015年5月号)

人生には、辛いこともたくさん起きますが、その辛いことを乗り切ることで、魂が磨かれ成長するのです。

だから、愚痴や弱音を吐かずに乗り越えていきましょう。