目の前の仕事に一所懸命尽くす

『致知』2016年10月号に、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏とスヴェンソン会長の兒玉佳司氏の対談が掲載されていて、その中で兒玉氏の「何が人生を成功に導いていくと感じておられますか」という質問に、山中氏が次のように答えています。

やはり目の前の仕事を大切にすることがとても大切だと思います。

医者だった頃の話ですが、当時は医局制度というのがありまして、私たち医者は教授の命令次第で、勤務する病院が二年ごとに替わったんです。

患者さんがたくさんいて、手術の数も多い都会の最先端の病院に行くこともあれば、患者さんがあまりいない地方の小さな病院に行くこともある。

で、ある時、尊敬していた先輩にこう言われました。

「どんなところに行っても患者さんは必ずいるんや。

ほとんど手術ができないような病院に行って腐っているやつもいるけど、そこにも困っている患者さんはたくさんいる。

だから、目の前にいる患者さんのためにできることを一所懸命やれ。

そうしたら見ている人は絶対に見ていて、次の展開が変わっていく」

当時は若かったのであまりピンと来なかったんですけど、いまは本当にそうだなと実感しています。

これに応えて、兒玉氏は、次のように述べています。

他人が見ていないところで努力する人は必ず伸びていきますね。

私は数百人の選手を見てきましたが、一日六、七時間の決められた練習があって、それが終わってみんなが帰った後、三十分、一時間と、プラスアルファの努力ができるかどうか。

それが一流と二流を分ける差ですね。

兒玉氏は、卓球の日本代表選手団監督を務めていました。

努力は必ず報われるということです。