生きがいとは
お金をたくさん貯めて、白金のマンションに住み、ベンツを乗り回し、軽井沢に別荘を建て、毎晩のように高級レストランで食事をする。
こういう生活も面白いかもしれませんが、果たしてこのような生活から真の生きる喜びが得られるでしょうか?
こんな生活は、1か月もすれば飽(あ)きてくるでしょう。
そして何かやりがいのある事はないものかと考え始めるでしょう。
この「やりがい」という言葉に、満ち足りた人生のカギが秘められているといってもよいのです。
誰だって楽しいこと、ラクなことには心を動かされるでしょう。
晴れた日に家族づれで遊びに出かけたり、子どもの誕生日や結婚記念日にどこかでご馳走を食べるとか、かねてから欲しいと思っていたものを買いに出かけるといったことは、意義のあることです。
しかし、こういうことを毎日のように続けていたらどうでしょう。
ほっぺたの落ちそうなご馳走でも、毎日食べたらうんざりしてくるでしょう。
普段は質素なものを食べて、時折美味しいものを食べるからこそ、その美味しさが身に染みるのです。
英国の思想家ジョン・スチュアート・ミルも次のように述べています。
「私は幸福というものが、欲望を満足させることよりも欲望を控えることによって得られるものであることを、ようやく悟るようになった」
誰でも若いころは、高級車に素敵な恋人を乗せて、高級レストランで食事をするというようなことを夢見ます。
しかし、年を重ねるとそういうことには関心を示さなくなります。
若いころには生きがいだと思っていたことが、年を重ねるにつれ本当の生きがいはもっと別のところにあると気づくようになります。
では、本当の生きがいを生むものは何かというと、過去の賢人と言われる人たちは、この点に関して、まったく同じことを説いています。
すなわち、「真の生きがいは他人に対する愛と奉仕の精神から生まれるものである」と。