死後の世界での生活(3)
死後の世界(霊界)でも低級な霊は貪欲とか権力欲とかを持ち合わせています。
忘れてはならないのは、死んだ人間は霊的には死ぬ前とまったく同じであることです。
地上と違って霊界は心の思うことに実体が伴い実感があるのです。
例えば夢を見ているのと同じだと思ってください。
夢の中に現れるものは夢を見ている間は現実です。
もしも永遠に目覚めなかったら夢の世界がその人にとって現実の世界となります。
乗る船も飛行機も、訪れる国も、夢の中ではみな現実です。
霊界では思念がすべてのものをこしらえる素材です。
ですから心に思うことがみんな存在するわけです。
貪欲と権力欲をもったまま霊界へ来れば、それが霊界では無用のものであることに気づくまで、それを持ち続けます。
そうした地縛(じばく)的状態から解放される段階まで成長すると、ようやく救われることになります。
困ったことに、権力欲や強欲は霊を地上へ縛り付けます。
身体的に死んでいますが、同時に霊的にも死んだも同然の状態です。
波長が霊界の住人より、地上の人間に近い状態です。
そこで同じ欲に燃えた地上の人間と感応しあって、その欲望を増幅します。
霊界は、地上からの他界者で構成されていることを知らねばなりません。
地球からの渡来者しかいないのです。
何の用意も身支度もできていない未発達霊で適応性のない霊を地上から送り込んでいるかぎり、地上と霊界双方の問題を大きくするばかりです。
それで私(シルバーバーチ)たちが地上人類の啓発のためにこうして働いているのです。
暴力・貪欲・唯物思想・利己主義・強欲等々、要するに世界各地での戦争と不協和音と分裂の元凶である恐ろしいガンの発生を防ぐためです。
(引用:シルバーバーチの霊訓(10)より)
夢の中では善いことも善くないことも自分で思った通りのことが実現しますが、霊界ではその夢の中と同じように自分で思うことがそのまま実現するということです。
心の浄化ができていないまま死ぬと地縛霊となり、結果として地上にも悪影響を及ぼすことになります。
私たちはこのような死後の世界のことを理解した上で、いかに善く生きるかを考えながら生活する必要があるのです。
善く生きるとは、一言でいえば利他に生きるということです。
人のため世のために尽くすことこそが、私たちのこの世での究極の使命なのです。
そして、そのような人間になるために修行をしているのです。