松下幸之助が求め続けたもの

人間学を学ぶ月刊誌『致知』2017年2月号で、松下幸之助氏元秘書の六笠正弘氏と松下電機産業元常務取締役の土方宥二氏が「松下幸之助に学んだこと」と題する対談の中で、松下幸之助が求め続けたものを次のように語っています。

松下幸之助が、PHP研究所の研究活動を紹介する場合など、常々口にしていたのが「素直」の二文字でした。

素直な心には融通無碍の働きがあると仰っています。

あるいは30年間、毎日の行動をとらわれのない心で行動し判断し、反省と精進を続ければ、やがて素直の初段に到達できる、というようなことも仰っています。

素直とは非常にシンプルな言葉ですが、説明するとなるととても難しい。

しかし、そのことは亡くなるまで毎日のように仰っていましたね。

私にはこの「素直」という言葉は松下幸之助の人生を象徴しているように感じられますし、私たち現代人も学ぶべきではないでしょうか。

松下幸之助は一度「こうしたい」という思いに駆られると、そのためにどう計画するか、どう作り上げるかと、あらゆる角度から考え抜いて実行する人でした。

そして、その時の判断基準は決して儲けや他社との競争ではなく、お客様がどうしたら喜んでくださるか、という一点にありました。

常に使う人の目になって判断されるんです。

松下幸之助が務めておられた営業本部長代行の仕事の一つに、開発商品の価格を決める際の決裁があります。

ある時、新しくできた洗濯機が持ち込まれ、「洗濯機は、どこが一番故障するのか」と質問をされました。

担当者が「一番下のモーターです。水のせいで錆びてしまいます」と答えると「外側はきれいに塗ってあるけど、何回塗っているのか」「三回です」「それなら、このモーターは?」「一回です」。

ここまで聞いて松下幸之助は仰いました。

「きみ、それはおかしいやないか。一番問題があるところが一回で、水のかからない外側の部分が三回とは、どういうことや。洗濯機は見栄えで売るものではない。もっとお客様の立場になって考えなあかんやろ。」と。

素直な心とは、私は、人間が生まれながらにして持っている本心、良心に従うことだと思います。

良心に従って生きる