志とは求める心
『致知』という人間学を学ぶ雑誌に全日本書道連盟理事長の星弘道さんのインタビューが掲載されていました。
とても勉強になったのでご紹介します。
継続することが物事を成就させるために一番大事だと思いますよ。
私もぐっと燃え上がっては、途端に冷めるというか、性格的に飽きっぽいところがある。
その欠点がわかっていますから、毎日何でもいいから書くことを自らに強いてきました。
書っていうのはこれで極めた、これでもういいっていう世界ではなくて、おそらく一生、生涯現役で苦しむようなものではないかと思っています。
例えば、書には自分のその時の精神状態も影響してきますし、湿度が高い時には紙も緩んで墨の入りが甘くなる。
墨や筆の状態もその時、その時で違ってきます。
いろいろな要素がちょうどよい状態になることはそんなにありません。
ですから、日々鍛錬を積んでいく中で、ぱっと書いたものが「もうこれだけのものは二度と書けない」という作品になることもよくあるんです。
常に夢中で求めていって、求めていって、その過程の中からよい作品が生まれてくる。
それが書の一番の醍醐味なのかもしれません。
私は志とは”求める心”だと思ってきました。
自分はこうなりたいという志を立て、少しでもそこに迫っていこうとコツコツ努力していく。
そういう求める心がなければ、何に取り組んでも、人生はひらけていかないのだと思うんです。
(引用;『致知』2017年1月号より)