常岡一郎氏は、大学卒業直前に肺結核を患いました。

当時、結核は死の病です。

お見舞いに来る人もなく、病床で悶々と日々を送っていました。

ある人から「比叡山も高野山ももとは奥の山。そこに徳の高い人が住み、訪れる人が絶えない都になった。あなたも徳を積んで病気と縁を切りなさい」と言われました。

そこから、心機一転、大学を中退しトイレの掃除道具を柳行李(やなぎごうり)に詰めて、全国各地を奉仕修行しました。

「病を治すことを止めて、病で自分の性格を直す」ことに全身全力を尽くして15年、ついに結核が完治したのです。

その常岡氏の言葉です。

「どこに投げ出されても、だるまは転がっていく。

そして、踏みとどまったところですっくり立ち上がる。

その重心が重く、低いところにあるからである

人もそうである。

どんなところに投げ出されてもよい。

行き詰まる。

止まったところで直ぐに立ち上がれる人にならねばならない。

そのためには心に徳を積み上げていかねばならない

力に満ちた、低い、豊かな魂の人にならねばならない。」

(参考文献:『致知』2017年4月号)