姿勢が大事

『致知』という人間学を学ぶ月刊誌の2016年12月号に、鎌倉の円覚寺管長の横田さんの次のような話が紹介されていました。

禅門では公安を与え、それに答えさせる禅問答によって弟子を悟道(ごどう)に導いていきます。

1つの公案に対して4千、5千ある禅語の中から1語を選び、その公案の答えとします。

与えられた公案をパスしなければ次の公案に移れません。

1年でも2年でも同じところに踏みとどまらなければなりません。

横田管長は20年、この禅問答を繰り返し、35歳の若さで老師と呼ばれるようになりました。

その日々の中で、横田管長は1つの気づきを得ました。

それは、姿勢が大事、ということです。

腰骨を立て、臍下丹田(せいかたんでん)に力を入れ、呼吸を整える

これは座禅と同じ姿勢です。

この姿勢で禅語を探すと知恵が活発に働き、4千、5千の禅語の中からこれだという1語が閃いてきます。

姿勢が崩れていると、ピタッとくる1語はまず閃かない。

横田管長は、ある将棋の名人の言葉を紹介されています。

名人クラスになると、実力はほとんど差がない。勝敗を分けるのは姿勢だ

この話の結びとして致知出版社の藤尾社長は、次のように述べています。

姿勢とは単に身体の姿、形のことだけではない。

身体の姿勢は心の姿勢の反映である。

そして、心の姿勢とは心がけ、心構えのことである。

心がけ、心構えが崩れていては、禅の公案のみならず人生の公案も解けないまま、人生に翻弄されることになるのではないか