人生の方程式
京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が『生き方』という書籍で、より善く生きていく方程式を以下のように紹介しています。
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
人生や仕事の結果は、「考え方」と「熱意」と「能力」の掛け算で得られるということです。
決して、足し算ではなく、掛け算です。
「能力」とは、持って生まれた才能や知能のことで、健康や運動神経もこれにあてはまります。
「熱意」とは、情熱や努力する心と言い換えることができ、自分の意志でコントロールできる後天的な要素です。
稲盛和夫氏は、どちらも0点から100点までの点数がつけられると言っています。
掛け算ですから、どんなに能力があっても熱意が乏しければいい結果は出ません。
つまり、100点の能力があっても、熱意が1点しかなければ、100点(1点×100点)の結果しか得られません。
逆に能力がなくても、そのことを自覚して、人生や仕事に燃えるような情熱であたれば、先天的な能力に恵まれた人よりはるかにいい結果が得られます。
つまり、能力が10点しかなくても、100点の熱意をもって事に当たれば、1,000点(10点×100点)の結果が得られるということです。
そして、稲盛和夫氏は、最初の「考え方」が最も大事であると述べています。
すなわち、考え方次第で人生は決まってしまうということです。
考え方とは、いわば心のあり方や生きる姿勢のことです。
考え方が大事なのは、これにはプラス100点からマイナス100点までとマイナスポイントがあるからです。
したがって、能力と熱意に恵まれながらも考え方が間違っていると、それだけでネガティブな結果を招いてしまうのです。
考え方がマイナスなら掛け算をすればマイナスにしかならないからです。
例えば、100点の能力を持っている人が、100点の熱意をもって、自己の利益だけを考え悪事に手を染めた場合、考え方がマイナスですので、結果もマイナスになってしまいます。
ちょっとした道徳違反(マイナス2点)であっても、結果はマイナス20,000点(ー2点×100点×100点)になってしまいます。
では、「プラス」の考え方とはどんなものでしょう。
稲盛和夫氏は、常識的に判断される「善い心」のことだとして、具体的に以下のように説明しています。
- 常に前向きで建設的であること。
- 感謝の心を持ち、みんなと一緒に歩もうという協調性を有していること。
- 明るく肯定的であること。
- 善意に満ち、思いやりがあり、やさしい心を持っていること。
- 努力を惜しまないこと。
- 足るを知り、利己的でなく、強欲ではないことなどです。
人間には、良心というものが備わっています。
何か悪いことをしようとすると、心がチクリと痛むというような経験は誰にでもあるとも思います。
この良心に背かずに生きることが大切です。